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「我楽多堂」通信

その4

二本立て

二本立て 3月末、引越の最も忙しい日が、強風と雨にみまわれた。ほころび始めた桜のつぼみも、容赦ない強風と雨で、周辺の桜は開花を4月に持ち越した。持ち越したと言っても、どこかの議会のような棚上げとは違い、明日からは、雨をたっぷり吸いこんで、確実に美しさを増していく。

 円高で輸出に与える打撃の大きさなど、悲壮感で覆われていたニュースも、以前並みの円安に戻ると、今度は、ガソリンの値上げのみを大きく報道する。新聞もテレビも、同じ切り口・同じ報道をする。

 iPadやiPhoneが予想以上に普及し、電子書籍が話題になる。分厚い本も薄っぺらな本も、場所を選ばず読むことができる利便性。思いがけない本を読む機会もある意外性。経済性。国まで後押しするほどだから、業者が乗り遅れるはずがない。

 かつて、冷凍食品が売り出された時のことを思い出す。瞬時に冷凍するから、美味さに変わりはないという触れ込みに、当初は残念ながら納得出来なかったが、今では、「讃岐うどん」や「シュウマイ」などは、ストックして重宝している。電子書籍も、フリーソフトで、それらしきものは作れそうなので、試作してみたい気をおこさせてしまうから、いつのまにか生活にとけこんでいくのだろう。ただし、双方とも電気があればのこと。

 月明かりでも読めるのは、やっぱり紙の本!

 ページをめくる感触は、タッチパネルでは味わえない。特に必要でもなく、いつ読むともわからないのに、どうしても欲しくなる本が、時々ある。と言うより、そんな本に出合ったときは、嬉しくてワクワクしてしまう。昨年末に出版された「花森安治のデザイン」は、「暮らしの手帖」の表紙原画やカットなど、創刊から30年間に亘って、花森安治氏の作品を見ることができる。広告をとらず、何者にも媚びない姿勢は、どの表紙にも晴れ晴れしさが根底にあり、おだやかで、あったかい。

 少し古いけれど、絵本の「コーギービルの村まつり」。これは両開きにして読まなければ、良さがわからない。どのページも愛情あふれる、ターシャ・テューダーの傑作だ。

 ペラペラ・スラスラと次のページへ読み進むことが出来る本は、電子書籍で。

 ゆったりと、コーヒーでも飲みながら、ページを進み戻りつ、する本は、本屋で。

 これからは、こんなところだろうか。

 3月は、やはり、大手から中堅まで、いつもの月より多く引越の車を見かけた。どの車両もマークやロゴで、業者がすぐにわかる。中に、久しぶりで見かけたマークがあった。  「カブトムシ」だった。立派なツノは健在らしい。

 (ロッテンマイヤー)
     ■我楽多堂 http://www.garakutado.jp




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