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韓国生活事情
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韓国引越事情

〔87〕 カン美加

微粒子に注意

 いつまでも降雪に悩まされたり、台風並みの春の嵐がやってきたり、今年はうららかな季節到来と手放しでは喜べない日本列島のようです。それでも、桜の開花を知らせる桜前線を、ついチェックしてしまうという人は多いのではないでしょうか。肌寒さが残ろうとも、お花見という習慣がある日本人にとってこの予報は欠かせないもののひとつでしょう。

 さて、○○前線という予報の類、韓国と日本とでは、やはり何かしら異なります。キムチの漬け時を予報するキムジャンは、すでにお馴染でしょうが、韓国の予報はそれだけではありません。日本でも問題になる中国から飛来する黄砂についても、予報や警報が出されています。もちろん、気象予報なので桜の開花予報とは性質が異なりますが、韓国では、もはや季節の風物詩となりつつある予報なのです。日本で言うところの花粉予報に匹敵するでしょうか。それほど、大々的なものではなのです。では、花粉はというと、まるで登場しません。花粉症で悩んでいるという話も聞きません。

 そう、花粉症自体、存在しないのではないかと思えるほど、あちらでは、花粉のかの字も耳にしないのです。まあ、アレルギーという括りで見れば、花粉症は存在するのかもしれませんが、とにもかくにも、韓国の初春は、『黄砂』なのでした。

 対策グッズ商戦も活発で、店頭には、専用マスク、空気清浄機などなど、ここぞとばかりに登場します。日本ならば、花粉症対策と枕詞が付くものが『黄砂』対策なのです。どちらも、空気清浄という観点ですから、花粉症対策と変わらぬ品揃え。しかし、あくまで、『黄砂』対策ですから、私的には、何故、黄砂なんだ?花粉症対策と来るべきじゃあないのか?と違和感だらけ。お国柄というやつですから、ここは抗(あらが)っても無駄なのですが。ただ、確かに黄砂注意報が出された日は、曇り空か霞んでいるのか解釈に苦しむ状態で、ついつい「視界が悪いのは、気象のせいだよね?」と、自己確認してしまうほどのどんより模様。日本で体験する黄砂到来とはあきらかに違う、重いものと言ってよいでしょう。

 という訳で、春先の韓国の街でマスク姿の人を見かけたら、風邪が流行っているのかな?ではなく、今日は黄砂注意報が出ているのかな?と思って間違いないでしょう。ただし、都市部、特にソウルに関しては、黄砂の原因だけではありません。街自体の空気、つまり、大気汚染が尋常でないからなのです。

 2010年の統計によりますと、ソウルの大気1立方メートルあたりの微粒子濃度年平均は、49マイクログラムとのこと。ほとんどの観光客が訪れるショッピングのメッカ明洞や古宮が存在する中区エリアの場合、49マイクログラム。市場で有名な東大門やハイソな地区江南エリアは、50マイクログラム超えという状態。東京が、25マイクログラムということですから、どれほど汚染されているか一目瞭然でしょう。それもこれも、中国の工場から排出された大気汚染物質が偏西風に乗って流れてくるからで、加えての『黄砂』の飛来。日本の春霞とは似ても似つかないのも頷けます。

 国によって、大気質改善対策がなされているので、これでも90年代に比べれば、改善されているのですが、春先の韓国では、日本以上にマスクが必需品なのかもしれません。

【プロフィール】
1968年松山市生まれ。デザイン学校卒業後、大手印刷会社、出版事務所などに勤務。結婚を機に渡韓。ソウルと釜山で夫と共にツアー事務所運営に携わり、日本語ガイドとしても韓国を巡る。帰国後、韓国での生活体験を執筆。


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