ブラジル旅の雑記帖

根川 幸男

その1  −わが街ブラジリア−
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 ブラジルと言うと、カーニヴァルで有名なリオ・デ・ジャネイロや商工業の中心サンパウロを思い浮かべる。アマゾンやイグアスの滝など大自然をイメージする人もあろう。あいにく私が住んでいるのは、南米大陸のど真ん中ブラジリアである。言わずと知れたブラジルの首都だが、日本ではほとんど知られていないのが現状である。今日はまず、ブラジリアの紹介をしよう。

map1

 ブラジリアは空から見ると、Map1のように、南北に翼を広げた飛行機の形をした都市プランをもっているのがわかる。飛行機の機首には国会議事堂があり、尾翼に当たるところには鉄道駅とバスターミナルがいっしょになったロドフェホヴィアリアがある。国会議事堂が飛行機のコクピット、議員さん達がパイロットなわけで、この街が造られたときの意気込みというかヤル気を物語っているようでほほえましい。飛行機の東には、広大な人造湖パラノア湖が広がっている。標高約1100メートルのブラジル中央高原に位置し、タグアチンガ、ガマなどいくつかの衛星都市とともに、ブラジリア連邦直轄区を形成している。この街を一つのデザインとして眺めると、未来都市のイメージ通りひじょうに美しく整っていると思う。43年も前にこの都市が創られたこと自体が、ひとつの奇跡のように思える。

 しかし、一生活者の立場から見ると、どうだろうか。まず、さびいしい街だなあという印象。中央の商業地区をのぞいて、街を歩いていて昼間でもあまり人と出会わない。通りすぎるのはフルスピードで走る車ばかり。もちろんたまに犬を散歩させたり、ジョギングしている人も通りすぎる。しかし、大阪という人間くさい街で生まれ育ち、ソウルやバンコク、サンパウロという大都市を経験してきた私には、ゴーストタウンのような何か物足りなさや冷たさを感じさせる街なのである。

国会議事堂
オスカー・ニーマイヤー設計の国会議事堂

 サンパウロやリオと比べて犯罪は少ないものの、聞けば、離婚率はブラジル最高。私たちの住むアパートは全部で6世帯が住んでいるが、そのうち3世帯が離婚して片親と子供だけが住んでいる。心なしか、ブラジリアに来てから夫婦喧嘩が増えたように感じるのは気のせいだろうか。


【著者プロフィール】
根川 幸男(ねがわ・さちお) E-mail:sachion02@yahoo.co.jp
2002年1月よりブラジリア在住。専攻は移民史・比較文化論で、サンパウロを中心に、ブラジル日系コミュニティーを研究する。ブラジリア大学外国語・翻訳学部日本語学科に助教授として在職するかたわら、ブラジル国内はもとより、メキシコ、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイ、チリ、ボリヴィアを旅行。不定期で新聞・雑誌に翻訳やコラムを執筆。日常生活を通じて、ブラジル・ウォッチングにも精を出す。

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