![]() 梓 涼 公園にて その10 「京都 花灯路」 |
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春近づいた三月の中旬、京都の祇園へ主人と行ってきました。お昼前に祇園到着。陽は暖かく、厚着をしていた私たちは、「暑い、暑い」を合唱していました。 祇園は、鴨川の東、四条通りを挟んで南北に広がる花街。周辺には、八坂神社、丸山公園、高台寺、知恩院、豊臣秀吉の正妻、ねねさんが晩年過ごした圓徳院などがあります。 石畳の道を歩いていると、静寂の中に聞こえる鳥の声。周りは閑静な歴史を感じさせる街並みで、立派な梅が咲いている家もありました。また、木々を上手く配置した、隠れ家的な喫茶店もあり、風流という言葉がぴったりと当てはまる景色でした。 私たちは、清水寺に続く二年坂、産寧坂へ向かいました。坂の両側には、お土産屋さんの他、茶店、お漬物屋さんなどが並び、外国の方も多く、沢山の人で賑わっていました。さすが観光都市・京都だなと改めて感じました。
私は、紺色の着物を着たいと思っていたのですが、おばちゃんが初めに指してくれた紺色は少しイメージが違いました。棚を開けると、ピンクの着物がありました。「これ、よくない?」と言ってくれ、私も気に入りました。 着物選びは、なかなか楽しいものです。ピンクは普段あまり着ないのですが、着物となると別。着付けが終わり、鏡を見ると、似合っていました。 次は、帯。最初、白っぽい帯を選んでくれたのですが、私が、躊躇。ささっと、紺色の帯を出してくれました。二回ほど、白・紺をあてがい、紺に決めました。「若すぎもせず、老けすぎもせず、ちょうどいいかも」と帯もきっちり締めてくれました。最後に、髪の毛に可愛いピン止めも付けてくれました。話も面白く、六十二歳とは思えないほど、元気なおばちゃんでした。着付けが終わり、お店の人と三人で記念写真も。 着物姿で八坂神社・丸山公園、そして、圓徳院も拝観し、約二時間近く、雰囲気を満喫しました。着物は、やはりきつかったのですが、日ごろ、女っぽいしぐさなどしない私が内股で歩いてみたり、また、自分の草履の音に聞き惚れたりと、着物姿を味わいました。ちょうど、雨があがった後。人もまばらで、しんとした静寂に包まれた丸山公園は、緑が美しく、池には、まだ、芽が出始めた桜の樹が映っていました。
夜七時ごろに散策に出ると、たくさんの人が歩いていました。石畳の路の足元には、ほのぼのとさせるオレンジ色の暖かい明かりが等間隔で灯され、幽玄の世界が。知恩院がまるで輝くかのように、光を浴び、聳え立っていました。荘厳という言葉にふさわしい光景でした。 わび・さび。二十代では、感じとれなかった京都の美しさを実感できた旅でした。 |
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